南米エクアドルの国民的ソウルフード「グアティータ(Guatita)」をご存知でしょうか?一言でいえば「牛のハチノスを、濃厚なピーナッツソースでじっくり煮込んだお料理」です。

ハチノスは、牛の4つある胃袋のうちの「第2胃(2番目の胃)」のことです。その名前の通り、見た目が「蜂の巣(ハチの巣)」のような六角形の網目模様をしていることからこう呼ばれています。幾何学模様が苦手な人にはちょっときついかも。
グアティータに対する「3つのリアクション」
この料理、反応が3つに分かれるのが面白いですね。
タイプ①:グアティータが大好き。クセになる味、本当の美味しさを知っていらっしゃる方。濃厚なピーナッツソースのコクと、ハチノスの独特な歯ごたえに、すっかりハマってしまうようです。
タイプ②:挑戦したものの大嫌いに。勇気を出して一度は挑戦してみたけれど、「ごめんなさい、どうしても苦手でした…」という方。あのハチノスの見た目や食感、そして内臓料理特有の風味が口に合わないようです。
ハチノスの弾力がガムみたいで、飲み込むタイミングを逸してしまう…なんて話も聞きます。
タイプ③:食べたことがなく、最初から引いてしまう方。残念ながらハチノスを見て頭っから無理と決めつけてしまいます。「うわぁ、こんなの食べ物じゃない…。」と、冒険できない人もいますね.

🥜 なぜピーナッツ?グアティータの美味しさを支える「歴史と知恵」

ハチノスをトマトやデミグラスソースではなく、「ピーナッツソース」で煮込むのは、なぜなんでしょう!実はピーナッツ(落花生)は、南米が原産地の植物です。コロンブスがアメリカ大陸に到達するより昔から、ジャガイモやトウモロコシと並ぶ貴重な主食であり、栄養源でした。
なのでエクアドルの伝統料理では、「味噌」や「出汁(だし)」のような感覚で、コクや旨味を出すためにピーナッツペーストが日常的に使われます。
また ピーナッツは動物のモツや魚の独特の「臭い」を中和してくれる優れた食材です。例えばハチノスは丁寧に下処理をしても、どうしても特有の強い風味が残ります。そこにピーナッツの油分、濃厚なコク、そして香ばしさが加わることで、ハチノスの独特な風味を旨味へと変えてくれるのです。
ハチノス豆知識
- 食感: 独特の「クニクニ」「モチモチ」とした弾力があります。丁寧に下処理されたものは、噛み切れる柔らかさになります。
- 味: 脂っぽさがほとんどなく、淡白です。
- 特徴: 網目構造になっているため、タレやスープが中によく絡みます。
大正解、ハチノスを豚肉で代用!
ここまでグアティータの魅力をお伝えしてきましたが、「やっぱりハチノス(内臓)は少しハードルが高いかも…」と感じられた方もいらっしゃいますよね。そこで、日本のキッチンでも手軽に、そして誰もが美味しく食べられるように、ハチノスを「豚肉」に代えてアレンジしてみたところ……これが大正解でした!
実は、豚肉のジューシーな甘みと、濃厚で香ばしいピーナッツソースは相性抜群です。ピーナッツソースは、例えるなら、「冷しゃぶのごまダレ」や「坦々麺のスープ」のような、日本人好みのソースです。しかもハチノスのように何時間も煮込んだり、丁寧な臭み消しも必要ありません。普段のお肉料理と同じ感覚でパパッと作れます!もちろん、「わたしはモツ大好き。本場のハチノスでチャレンジしたいわ‼」という方のために、下にハチノスの調理の仕方を紹介しておきます。
豚肉のグアティータ
材料(4人分)
| 豚肉 | 400g |
| じゃがいも | 400g (大3個) |
| 無糖ピーナッツバター | 50gと水100ml (又はピーナッツ50gと水100ml) |
| 玉ねぎ | 1個 |
| にんにく | 2片 |
| ピーマン | 1個 |
| トマト | 1個 |
| 水 | 100ml |
| 塩 | 小さじ1 |
| パプリカパウダー(あれば) | 小さじ1 |
| クミンパウダー | 小さじ1 |
| オレガノ | 小さじ1 |
| パクチー(又はパセリ) | 2〜3本 |
| 塩・コショウ | 適量 |
作り方
ピーナッツバターは無いけど、おつまみ用に買っていたピーナッツはある!という方はピーナッツと水をミキサーにかけて使用してもOKです。


- 豚肉は食べやすい大きさに切って軽く塩コショウをします。
- 野菜を切っていきます。じゃがいもは大きめの乱切りにします。

- にんにく、パクチー(又はパセリ)は細かいみじん切りにします。玉ねぎはみじん切り、ピーマン、トマトは角切にします。

- 鍋に油を熱し、中火から強火で①の豚肉をあまり動かさずに焼き付けるように火を通します。表面が少し茶色く色づいたらお皿に取り出します。


- ③の鍋に油を大さじ1を足し(分量外)、にんにく、玉ねぎ、ピーマン、トマト、クミン、パプリカパウダー、オレガノを加え、野菜がしんなりするまで炒めます。


- ⑤にじゃがいも、取り出しておいた豚肉、水、塩を加えて弱火で煮込みます。

- じゃがいもが柔らかくなったら、水に溶いたピーナッツバターを加えよく混ぜ合わせます。最後に塩コショウで味を調え、みじん切りにしたパクチー又はパセリを入れたら完成です!


エクアドルでは、ご飯、グアティータ、ゆで卵、アボカド、焼いた甘い調理用バナナを添えて食べることが多いです。


ひと口食べて虜(とりこ)になるか、それとも静かに引き下がってしまうか……「究極のギャップ飯」。あなたはどちらでしょうか?

ハチノスの調理の仕方
お店で見かけるハチノスは「白から薄いクリーム色」をしていますが、実は元の姿は「黒色(またはグレー)」をしています。湯通しして表面の黒い皮をペリペリと剥ぎ取ることで、あの綺麗な白いハチノスになります。また、独特の臭みを消すために、何時間もじっくり下茹でされることが多いです
1. 黒ハチノス(皮付き)の調理の仕方
黒い皮がついた生のハチノスの場合、まずは皮をむくところから始めます。
- お湯につける
鍋にたっぷりのお湯を沸かし、70℃〜80℃くらい(沸騰する前のふつふつした状態)にします。そこにハチノスを1分〜2分ほどくぐらせます。 - 黒い皮を削る
お湯から上げたら、温かいうちにスプーンや包丁の背を使って、表面の黒い皮をこすり落とします。ペリペリとむけて、きれいな白い肌が見えてきます。 - 水で洗う
むき終わったら、水できれいに洗い流します。
2. 白ハチノス(皮むき済み)の調理の仕方
1. 塩もみと水洗い
ハチノス全体にたっぷり塩を振り、水またはレモン水でもみ洗いをします。独特のぬめりや汚れが浮き出てくるので、流水でしっかり洗い流します。これを2回ほど繰り返します。
2. 茹でこぼし(臭みをとる)
鍋にハチノスと、それが完全に浸かるくらいのたっぷりの水を入れ、火にかけます。沸騰したら、そのまま10分〜15分ほどグラグラと茹でます。お湯をすべて捨てて茹でこぼし、ハチノスを一度水できれいに洗います。
3. じっくり煮込む(柔らかくする)
鍋にきれいな水と、ハチノスを入れます。一緒にパクチー又はセロリやパセリなどのハーブ類、にんにく、生姜などを入れます。これらが臭みを消してくれます。沸騰したら弱火にして、フタをして2時間〜3時間じっくりコトコト煮込みます。柔らかくなったら完成です。煮込み終わったら、食べやすい大きさにカットして使います。









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